料紙と俵屋宗達
こんばんは、ふみです。
今日は「料紙と俵屋宗達」について、お話しようと思います。
*概要*
意 味 装飾加工された紙のこと
時 代 平安時代末期(12 世紀1100~1185 年)に繁栄、江戸時代初期(1603-)に再熱
料紙は、前述のとおり、装飾加工された和紙のことです。
平安時代に繁栄しましたが、装飾的な和紙は奈良時代にもありました。
*奈良時代からあった技法・和紙*
漉き染め(すきぞめ).…紙の繊維に色をつけて和紙を作る方法
吹き染め(ふきぞめ)…布の上に型を置き、染料を霧状に吹きかけて模様を染める方法。
唐紙(からかみ)…中国の唐から来た紙。雲母(きら)という絵具で模様を刷っている。
金や銀の細かい箔を散らした和紙
これらの装飾的な技法や和紙は、それぞれ単体として栄えていました。
平安時代になると、和歌・物語などにふさわしい和紙が求められるようになり、これまでの料紙より組み合わせも多様で優雅・繊細な装飾料紙が登場しました。
平家納経は、装飾の限りを尽くした平安時代の最高傑作と言われています。
料紙の文化は鎌倉時代以降になると衰退していきますが、江戸時代の京都では、平安文化への憧れが再熱し、料紙もまた脚光を浴びるようになりました。
俵屋宗達は、そんな時代の京都で料紙の制作・販売をしていました。宗達の巧みなデザインセンスは、料紙制作で培われていったのです。
画家の本阿弥光悦は宗達の優れた技術を見出し、宗達を画家へと導きました。
(写真) 鶴下絵三十六歌仙和歌巻重要文化財 俵屋宗達下絵・本阿弥光悦書 34.1×1300
cm 京都国立博物館蔵
写真ではわかりにくいですが、鶴は銀泥で描かれています。
鶴の群れが海を渡り、岸辺で羽を休めるまでの長い飛翔を、宗達はほぼ鶴のみで描きました。
そのシルエット・筆遣い・デザインセンスは、現在も他に類を見ない傑作として残っています。
いかがだったでしょうか。
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それでは、また明日
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投稿 2020.02.28
更新
参考
平家納経https://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/bunkazai/bunkazai-data-101020010.html