つれづれ美術手帖

アート関連のアウトプットブログです。

本阿弥光悦

<サイト移転のお知らせ>

いつもご覧頂き、誠に有り難うございます

この度、本ブログを新しいサイトへ移転することになりました。当面はこのままにしておく予定ですが、移転作業完了後は削除予定ですので、引き続きご覧になりたい方は新しいサイトの方へブックマーク等をよろしくお願いします。

https://keywart.net/koetsu-honami/

 

*概要*
生没年 1558-1637年
時 代 江戸時代初期
居住地 京都
分 類 琳派
代表作 舟橋蒔絵硯箱
特 徴 卓越したデザインセンス

    書道家としての「字」のデザイン性
その他 書家、陶芸家、芸術家
    晩年は陶芸にふける


光悦は主に刀の鑑定や制作をする、町人の家に生まれました。
刀を作るには様々な技術が必要であったため、光悦は家柄のおかげで様々な素材や技法を知っていました。

光悦は、書家、陶芸家、芸術家として、様々な方面で活躍しており、「日本のダヴィンチ」とも言われています。
書道家としての側面からか、道具や材料にはこだわるタイプだったようです。


*代表作 舟橋蒔絵硯箱(ふなばしまきえすずりばこ)*

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後撰和歌集」源等(みなもとのひとし)の歌
「東路の佐野の舟橋かけてのみ思い渡るを知る人ぞなき」から引用した作品のようです。

 

この硯箱の表面に使用されている「黒」は、鉛でできていますが、鉛で作る硯箱は今までにないものでした。
鉛は、沈むような黒の質感ですが、これまでの硯箱は金で光らせるような材質だったのに対して、鉛は真逆の質感でした。
鉛は刀剣の「つか」の部分によく使われる素材ですが、光悦のこのアイデアは、もしかしたらそこから生まれたのかもしれません。

 

また、硯箱に描かれるのは、基本草木でしたが、こちらは「舟橋」がメインで描かれています。
工芸品としてももちろん美しいですが、いろいろと「これまでにない」ものを試した作品でもあったようですね。

 


*光悦の書 道具の秘密*
本阿弥光悦書道家としても有名ですが、光悦の書く字は躍動感・強弱のある、非常に柔軟な字でした。

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(写真)鶴図下絵和歌巻(つるずしたえわかかん) 俵屋宗達本阿弥光悦 (1602-1635) 34×135.6cm
このような「絵の上に字を書く」という考え方は、これまでになかった発想でした。
鶴の動きに合わせたような段落・配置の取り方や字の強弱が非常にデザイン的で、宗達の絵を上手に活かしています。

 

ちなみに、光悦の字の秘密は「筆」にもあったようで、工程に手間がかかるため江戸以降生産されなくなった、非常に手間のかかる筆で、筆の中側をきつく縛ることで弾力のある、ふくよかな線が書ける筆だったとか。
(現在日本で1社のみが生産しているとか)
光悦は竹や藁を使って書いた書も残っており、道具へのこだわりが見えますね。

 

 

いかがだったでしょうか

内容の認識違い等ありましたら、ぜひコメント等で教えてください

 

それでは、また明日

 

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投稿 2020.04.01

更新 

参考
E国賓 国立博物館所蔵 国宝・重要文化財
http://www.emuseum.jp/detail/100195/000/000?d_lang=ja