つれづれ美術手帖

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喜多川歌麿

こんばんは、今日は喜多川歌麿について、お話しします。

 

*概要*
生没年 1753-1806年
時 代 江戸時代中期
居住地 不明 川越(埼玉)説と江戸説が有力
分 類 浮世絵(版画)
代表作 寛政三美人
特 徴 官能的な表情、肌・髪の繊細な表現
技 法 毛割・空摺・雲母摺
題 材 美人画花鳥画
その他 浮世絵美人画の極致とされている人物
    独自の表現法を工夫した

 

 

 

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(写真)寛政三美人 喜多川歌麿 1793年 32.0×21.6㎝

生年、出生地、出身地など不明。生年に関しては、没年(数え54歳)からの逆算で1753年とされることが多い
もともと絵本を描いていましたが、1790年頃に浮世絵師へと転向。
大首絵(おおくびえ・上半身の人物画)を主に描き、当時一世を風靡しました。
晩年には浮世絵が政府から強い規制を受け、刑罰を受けるなどして失意のうちに没したとされています。

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(写真)画本虫撰(一部) 1788年頃
絵本作家時代の作品。こちらは絵入り狂歌本で、狂歌とは滑稽さや皮肉などを盛り込んだカジュアルな短歌のことを言います。

 

 

*独自の表現法を工夫した*
歌麿は、女性をいかに美しく、深みを持って描き出せるかを常に考え、独自の版画表現を工夫した人物です。
女性の肌を美しく見せるために輪郭線に朱線を使ったり、輪郭を消してみたり…様々な工夫を行いました。
その結果として、毛割・空摺・雲母摺といった独自の技法が生み出されました。

 

 

・毛割と空摺

毛割(けわり)は女性の髪の表現、空摺(からずり)は摺の技法のことを言います。

毛割・空摺については、以前まとめていますのでそちらをご覧ください。
https://funart.hatenablog.com/entry/2020/04/29/181849

 

 

・雲母摺り

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(写真)ポッピンを吹く女 喜多川歌麿 1795年頃 ホノルル美術館
歌麿は雲母摺りを考案した人物だと言われています。
雲母摺り(きらずり)とは、背景を描かず、「雲母(キラ)」という日本特有の絵の具一色で塗りつぶした版画のことを言います。
雲母は上品に光る絵の具で、白・黄・黒などがありますが、歌麿は特に白い雲母を使用しました。
この絵の具を使用することにより、浮世絵にブロマイドのような特別感が一層出たことでしょう。
雲母という絵の具に関しては、以前まとめていますのでそちらをご覧ください。
https://funart.hatenablog.com/entry/2020/03/01/160855

 

 

 

いかがだったでしょうか
内容の認識違いなどありましたら、ぜひコメント等で教えてください。
それでは、また明日
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投稿 2020.05.13
更新 
参考 
国立国会図書館デジタルコレクション 画本虫ゑらみ
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1288345