つれづれ美術手帖

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中村芳中

こんばんは。今日は中村芳中について、お話しします。


*概要*
生没年 生年不詳-1819年
時 代 江戸時代中期
居住地 大阪
分 類 琳派

流 れ やまと絵
特 徴 素人風・大らかな線や構図・ユーモアある表現
代表作 四季草花図扇面押絵貼交屏風など
技 法 たらし込み

 

 

中村芳中は京都生まれ、大阪で活躍した画家です。
謎が多く、生年不詳のほか、生い立ちもほとんどわかっていません。
訪中の名が残っている最初期の書物は1790年,当時の雑誌の中です。
そこでは「大阪に住む絵師」として紹介されていますから、すでに絵師として活躍していたのだと思われます。

マイナーとも呼べる絵師ですが、個人的には愛らしい表現で隠れファンが多い絵師のように思います。

 

 

*ユーモアある表現*
琳派と言えば、一般的には華麗・装飾的と言われますが、中村芳中の作風は少し印象が違います。
たらし込みなど伝統技法も取り入れていますが,これまでになかった筆遣いや構図で「芳中ならでは」と言える作風を確立しました。

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(写真)四季草花図扇面押絵貼交屏風 中村芳中 個人蔵
こちらの作品では、枝や茎・葉にはたらし込みが使用されていますが、光琳の「紅白梅図屏風」のような輪郭線はありません。
葉ののびのびとした動きなどは,芳中ならではの特徴ではないでしょうか。

 


尾形光琳リスペクト*
芳中は、尾形光琳を慕っていたことでもよく知られています。
その証拠として、光琳の様式をまねし、描いたものを「光琳画譜」としてまとめられています。

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(写真)光琳画譜 中村芳中

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(写真)光琳画式 尾形光琳
光琳の画集です。
光琳の犬ほうが少しスタイリッシュでしょうか?

 

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(写真)狗子(くし)図 円山応挙 1778年 敦賀市立博物館
同時代にいた絵師の円山応挙の犬。比べてみると似ているような…
やはり応挙の方が写実寄りですね。

 

 

 

いかがだったでしょうか

内容の認識違い等ありましたら、ぜひコメント等で教えてください

 

それでは、また明日

 

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投稿 2020.05.26

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