つれづれ美術手帖

アート関連のアウトプットブログです。

東京2020オリンピックポスター そのいち

こんばんは、今日はオリンピックのポスターについて、お話ししようと思います。

本来ならばオリンピックの期待感でいっぱいになっているはずのこの時期。
今回はそんな、日の目を浴びる機会が減ってしまったポスターたちを、もう一度じっくり見てみようと思い、まとめてみました。
量が多くなってしまったので、今回は3回にわけてご紹介していきます。
(写真は公式サイトから拝借しています)


オリンピックをテーマとする作品


(写真)あなたの出番です。/Now it’s your turn! 浦沢直樹 漫画家
浦沢直樹は「YAWARA!」や「21世紀少年」などで知られる漫画家です。
描いたのは陸上選手と言われていますが,浦沢直樹は「だれでも当てはまるように」,性別や競技などが特定しにくいよう描いたと言っています。
左下の「つづく!」が,オリンピック本番の期待感をより一層高めてくれる,漫画家らしい表現ですね。(ちなみに,この「つづく!」は下書きにはなかったのだとか。)


(写真)スペース・キッカー/Space Kicker 大竹伸朗 画家
題名の直訳でいくと、宇宙 蹴る人 でしょうか。
解説文を見てみましたが、地上から離れて大きなスケールのオリンピックを想像したものだとか。
右上にあるのは地球でしょうか、また背景にあるさかさまの少年の姿も気になります。重力と関係があるのでしょうか…。
抽象的で想像力をかきたてる、壮大なイメージのポスターです。


(写真)動線/flow line 大原大次郎 グラフィックデザイナー
一見、いたずら書きで日本を描きました、というように見えますが
・オリンピック聖火リレー動線
聖火リレーの結び目となる800以上の市町村名
を構成してできたものだそうです。
大原大次郎さんは「線」について、「環境や心身の中で像を結んでいくもの」としてとらえ、アスリートの競技をする様子と重ね合わせながらこのポスターをデザインしたようです。


(写真)翔/FLY HIGH! 金澤翔子 書道家
背景には日本の伝統技術の金箔を配し、光源をあえて映すことでエネルギー溢れる躍動感を表しています。
拡大してみると,字は薄く透けており、少し端が盛り上がっています。
文字は透明なアクリル板に書いたのでしょうか。素材にこだわりの見えるポスターです。


(写真)Wild Things – Hachilympic 鴻池朋子 アーティスト
人間を1匹の動物としてとらえ、個々の感覚や身体能力を尊重することをテーマとしてとりくんだポスターのようです。
Hachilympicとは、蜂リンピック、ということでしょうか。
右下に蜂が飛んでいます。左後ろ足にあるのはボールに見立てたハチミツでしょうか。
蜂より目立つのは何といってもこの強烈な目力の人?ですが、これは新しい生態系を予感させているのでしょうか。考えさせられます。


(写真)五輪の雲/OLYMPIC CLOUD 佐藤卓 グラフィックデザイナー
佐藤卓キシリトールガムや明治おいしい牛乳のパッケージデザインで知られている有名なグラフィックデザイナーです。
五つの輪が中心の雲に向かって動く様子のポスター。
動いてはいないが、頭のなかで動くポスター
ということのようです。
あえて手書きなのは、オリンピックの原点は「身体の限界に挑むこと」だから。
技術ばかりに目がいってしまう現代で、身体性を忘れないでほしいというメッセージが込められた作品です。




いかがだったでしょうか
内容の認識違い等ありましたら、ぜひコメント等で教えてください

それでは、また明日

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投稿 2020.06.10
更新 
参考 


東京2020公式アートポスター
https://tokyo2020.org/ja/games/games-artposter/?segment=1*xkwj9l*s_amp_id*WmpSTkgyNWNGMkszb3FmWWlpbjhUNG9meDRlM1ZIYkZJTzhoeTJoMlJIX2dSLUZ4VF9jX0J1R0FyeWJ1WGpQTA..
大竹伸朗 オフィシャルサイト
https://www.ohtakeshinro.com
鴻池朋子 オフィシャルサイト
http://tomoko-konoike.com

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