つれづれ美術手帖

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動植綵絵

こんばんは。
今日は伊藤若冲の最高傑作、動植綵絵(どうしょく さいえ)について、お話しします。


*概要*
時 代  江戸時代中期
年 代  1757-1766年頃
分 類  -
特 徴  高品質の絵の具を使用
     綿密な写生・力強い描線
技 法  絹本着色
題 材  鳥、鳳凰、草花、魚介類など
内 容  30幅の大作
その他  釈迦三尊図とともに相国寺へ寄進
     日本で初めてベロ藍を用いた作品


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(写真)動植綵絵 群鶏図 伊藤若冲 1761-1765年 142.6×79.7cm 宮内庁三の丸尚蔵館

観音経「三十三応身」

若冲のこの動植綵絵については、「山川草木悉皆仏性」の思想を、観音経の「三十三応身」になぞらえて描き出したと考えられています。

*「山川草木悉皆仏性」(さんせんそうもくしつうぶっしょう)とは
命あるものすべてに仏性がある(悟りを開くことができる)という考え方。

*観音経「三十三応身」とは
観世音菩薩が衆生の願いに応じて姿を変えること(説法する)

つまり、「仏がこの世の中の様々な物に姿を変えている」という設定で様々な生き物や草花を描いているようです。
33応身というからには、33幅全33種類の生き物が描かれているのでは?と思ったのですが、動植綵絵は全30幅。
おそらく一緒に寄進された釈迦三尊図と合わせて33幅33種類ということなのでしょう。

高品質の絵の具を使用

裕福な青物問屋の家に生まれ、経済的憂いの無かった若冲は、当時の最高品質の画絹や絵具を惜しみなく使用しました。
そのため、200年以上たった現在でも退色が少なく、保存状態が良いものが多いそうです。

28作目の「群魚図(鯛)」では、日本で初めてベロ藍(紺青)が使用された作品として有名です。
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(写真) 動植綵絵 群魚図(鯛) 伊藤若冲
海を泳ぐ魚介。真鯛に虎河豚(トラフグ)鰡(ボラ)甲烏賊(こういか)撞木鮫(しゅもくざめ)など。
ベロ藍は左下のルリハタに使用されている、深い青色です。

釈迦三尊図とともに相国寺へ寄進

動植綵絵は、若冲自身とその家族の永代供養を願って、釈迦三尊図と一緒に相国寺に寄進されました。
その後、廃仏毀釈から立て直しを行うために、1889年(明治22年)に皇室に献上され、現在は宮内庁三の丸尚蔵館が保管しています。



いかがだったでしょうか

内容の認識違い等ありましたら、ぜひコメント等で教えてください

それでは、また来週

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投稿 2020.08.14
更新 
参考 伊藤若冲 動植綵絵
https://paradjanov.biz/jakuchu/category/doshoku/

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