つれづれ美術手帖

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奥村土牛

こんばんは。
今日は奥村土牛について、お話しします。


*概要*
生没年  1889-1990年
時 代  近代
居住地  東京
分 類  日本画日本美術院
特 徴  重ね塗りによる繊細な表現
代表作  鳴門
受影響  梶田半古・横山大観など
その他  1962年文化勲章受章


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(写真)醍醐 奥村土牛 1972年 山種美術館

奥村土牛は明治生まれの日本画家。
自然を愛し、草花をテーマにした透明感のある作品を多く描きました。

画号の「土牛」という名前は、出版社を営んでいた父が、土牛28歳の時に、丑年生まれの干支にちなんだ「土牛石田を耕す」から引用してつけられたそう。
「土牛石田を耕す」は、中国唐時代の有名な禅僧・寒山の詩から取られたもので、
「石の多い荒れ地を根気よく耕せば、やがては美田になるように、たゆまない精進をしなさい」という意味が込められています。
彼の繊細で丁寧な表現とも一致する、素敵な画号ですね。

病弱体質

土牛は病弱だったそうで、高等科に進むも中退。
梶田半古のもとに入門し、彼の画塾で絵の技術を学びました。
その後は為替貯金局に勤務し、ポスターや統計図・絵葉書を描いていたそうです。
健康状態がすぐれない時期があったため、一つの大作を描くというスタイルではなく、
執拗なまでのスケッチをするという彼独自のスタイルを築きました。

土牛は、文芸雑誌「白樺」にも影響を受けました。
雑誌「白樺」では、当時新しく日本に輸入されてきたゴッホセザンヌなどの後期印象派の絵画が紹介されており、土牛はこれらに大きな影響を受けたとされています。
確かに、モチーフの扱い方や構成に後期印象派の影響が見て取れるような気がします。

重ね塗りによる繊細な表現

土牛の作品の特徴は重ね塗りによる繊細な表現です。
この表現に行きついた背景には、病弱体質な一面から、丁寧なスケッチを何度も行っていたことが挙げられます。
土牛は、刷毛で何百回とも言われるほど絵具を塗り重ねることで、微妙な色加減の繊細な表現をすることに成功しました。
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(写真)鳴門 奥村土牛 
徳島県の有名な鳴門を描いた一作。
正面の鳴門と、奥にうっすらと見える山、という単純な構図を取ることで、見る人をひきつけます。
群青や胡粉、百緑を何度も丁寧に塗り重ねることで、海の奥深さと渦のしぶきを表現しており、臨場感のあるリアルな作品となっています。
渦のそばまで船で行き、身を乗り出すようにして写生を続けたと言われています。




いかがだったでしょうか
内容の認識違い等ありましたら、ぜひコメント等で教えてください


それでは、また来週

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投稿 2020.11.06
更新 
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