つれづれ美術手帖

アート関連のアウトプットブログです。

北斎漫画

北斎漫画について*
北斎50歳の代表作
門徒や私淑する人が絵を学ぶ絵手本
・ユーモア溢れる表現が特徴

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(写真)北斎漫画 三編 雀踊り 葛飾北斎
この作品は踊りをドローイングしたもの。今にも動き出しそうです。
ぜひ印刷して1枚1枚切り取り、パラパラ漫画にして楽しみたいような作品ですね。

半世紀にわたり愛され続けた「北斎漫画」

北斎漫画は、北斎が弟子ためにお手本として描いた300枚の下絵を、「売れるのでは」と版元(現在でいうプロデューサー)が目を付けて出版した絵手本です。
絵手本とは、絵の描き方を習うために、手本となる絵が描かれた本のこと。
北斎門徒が非常に多くいたことでも有名ですが、北斎漫画の人気っぷりは北斎に影響を受けた作家がいかに多かったかが伺えます。
北斎漫画は、当初1編完結の予定でしたが、北斎のデッサン力が評判となり、最終的に15編まで刊行され続けることとなりました。
初編から15編までは64年間、北斎死後40年にわたり刊行された計算です。驚きです。

圧倒的技術力とユーモアなモチーフ

北斎漫画の魅力は圧倒的な技術力とユーモアあふれるモチーフの表現にあります。
人の動きや変顔など、ユーモアあふれるモチーフを、簡潔で単純な線でありながらも卓越したデッサン力によって表現されています。

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(写真)北斎漫画 十編 すみだ北斎美術館
浮世絵師は、よく役者や美人図を描いてきていましたが、こちらは一般のおじさんでしょうか。
北斎はほかにも老若男女、神々や僧侶、文人など、様々な人々を描きました。
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(写真)北斎漫画 初編<7>

「漫画」の意味

「漫画」という言葉が、現在のようにコミック、物語絵本という意味となったのは明治時代頃からです。
では、北斎漫画における「漫画」とはどのような意味だったのでしょうか?

漫画という言葉について、北斎は、漫画について「事物を取りとめもなく、気の向くまま漫ろ(そぞろ)に描いた画」と記しています。
漫ろとは、「何ということもなく、心がそちらを向くさま」という意味だそう。
北斎漫画は、海外で「Hokusai sketch」と訳され、親しまれていますが、
気の向くままに描くという意味では、現在の意味の漫画というより、スケッチやドローイングに近いように感じます。




いかがだったでしょうか。
ちなみに、北斎漫画は2020年12月10日(木)から2021年1月31日(日)まで、広島県立美術館にて展示予定です。
コロナ渦で全く美術館に行っていませんでしたが、広島在住で行きやすいこともあり、この展覧会だけは見逃せない!ということで私も鑑賞予定です。笑
行って来た感想は、またこの記事に編集で反映したいと思います。

内容の認識違い等ありましたら、ぜひコメント等で教えてください


それでは、また来週

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投稿 2020.11.27
更新 
参考 
広島県立美術館 浦上コレクション 北斎漫画ー驚異の眼・驚異の筆ー
https://www.hpam.jp/museum/exhibitions/浦上コレクション北斎漫画ー驚異の眼驚異の筆ー/

映画「HOKUSAI」公式サイト
http://www.hokusai2020.com/index_ja.html

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