つれづれ美術手帖

アート関連のアウトプットブログです。

塩田千春

*塩田千春*

生 年  1972年
時 代  現代
出身地  大阪
居住地  ベルリン
分 類  現代アートインスタレーション
テーマ  生と死
題 材  赤い糸・靴やかばんなど
受影響  村岡三郎、マリーナ・アブラモヴィッチレベッカ・ホーンなど


塩田千春は大阪出身ベルリン在住の現代アート作家です。
2015年、ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展の日本館代表作家として選出されたことで、近年さらに注目を浴びるようになりました。
大きな会場を使用した大規模なインスタレーションが有名ですが、他にも立体や写真・映像なども制作しています。

現代社会に問いかけるような作品が多い現代アートの分野で、塩田は「生と死」という人間の根源ともいえる内面的なテーマを掲げ、生きることや人間の存在について問いかける作品を多く制作しています。
その背景には、自身の癌治療の体験や、師事したアーティストが考えられ、今回はその2点をご紹介します。

*癌の闘病生活*

塩田は2005年に癌を発症し、2017年に再発しました。
機械的に進んでいく病気の治療に違和感や葛藤を覚え、塩田は作品に昇華するしかなかったと語っています。

「まるでベルトコンベヤーで運ばれるように、全てはシステマチックに段取りされてゆく。その中に『私』は全く存在しないという不条理に、魂が置き去りにされている、と感じた。どうにもならない心の葛藤を説明するには作品をつくるしかなかった」
(引用:「魂がふるえる」インタビュー記事より)

2019年、癌の再発後に行った、自身最大規模の個展「魂がふるえる」では、癌治療での自身の体験を踏まえた新作が発表されました。

「ここまで死と寄り添った展覧会は初めてで、死や生きていくことを考えさせられた展覧会でした」
(引用:美術手帖「魂がふるえる」インタビュー記事より)

*影響を受けたアーティスト3名*

ここからは、塩田が師事し、影響を受けたアーティストを時代順に紹介していきます。

村岡三郎(1928-2013)

京都精華大学彫刻科教授。塩田は在学当時、彼に師事していました。
戦争体験の影響からか、生命や死についてをテーマとし、鉄、硫黄、塩などの自然物質を使って表現した作品で知られています。
https://www.kenjitaki.com/artists_j/muraoka_j.html
村岡三郎の作品はこちらから。KENJI TAKI GALLERY 村岡三郎

マリーナ・アブラモヴィッチ(1946-)

パフォーマンス・アートで知られるアーティスト
ブラウンシュヴァイク美術大学在学中(1997−1999)約2年ほど師事していました。
アブラモヴィッチは、炎の中に横たわり危うく窒息死しかけるといったような、肉体を極限まで駆使した過激なパフォーマンスを行いながら、パフォーマーや鑑賞者との関係性や意識を考える作品を作り出しました。
【Art File Y013】マリーナ・アブラモヴィッチ「夢の家」 - YouTube
マリーナ・アブラモヴィッチ「夢の家」

レベッカ・ホーン(1944-)

ビジュアルアーティスト、映画監督
ベルリン芸術大学(UDK)在学中(1999−2003)に師事していました。
身体に羽や角をまとい、身体拡張をテーマとした作品が有名で、彼女の作品は簡単な機械を使った物が多く、現代文明に対しての批判を訴えています。
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投稿 2021.05.28
更新 
参考 
塩田千春公式HP
https://www.chiharu-shiota.com/top-japanese

美術手帖 塩田千春が癌との闘いを経て見せるもの。森美術館「塩田千春展:魂がふるえる」のここに注目 2019.6.19
https://bijutsutecho.com/magazine/news/report/20030

25年の軌跡…塩田千春の個展 魂のゆくえ求めて 2019.07.14
https://www.sankei.com/article/20190714-2Y5TJNH525LW3DYXNQY7BPGHCQ/

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