つれづれ美術手帖

アート関連のアウトプットブログです。

熊谷守一

こんばんは、今日は熊谷守一について、お話しようと思います。

 


*概要*

生没年 1880-1977年

時 代 現代

居住地 東京

分 類 フォービズム 二科展

代表作 猫

特 徴 明るい色調・赤い輪郭線

題 材 植物・生き物・人・風景など

その他 研究熱心・スケッチを重ねる

 

 

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(写真)猫 熊谷守一 1965年 愛知県美術館

ぐっすり眠る猫の表情、柔らかそうな体がなんとも可愛らしいです。

 

熊谷守一は、日本の油絵画家です。

97歳まで生きた長寿の画家で、スケッチを重ねて描かれた抽象画に定評があります。

 


守一自身は富裕層の出身ですが、芸術家気質で貧乏生活を送ったことから、自身の所属する二科会では「画壇の仙人」と呼ばれていたそう。勲三等や文化勲章を受賞するも辞退するなど、独特な人だったようですね。

 


*研究熱心な画家*

守一は研究熱心で、様々な工夫をして制作していた画家として知られています。


守一がまず、20代の頃に熱中したのは、

「暗闇でのものの見え方」という独自の研究でした。

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(写真)蝋燭(ろうそく) 熊谷守一 1909年 岐阜県美術館

守一29歳の時の自画像です。

柔らかな蝋燭の光に包まれ、柔らかな雰囲気を感じます。

自宅で昼間から雨戸を閉めて室内を暗くし、灯りをつけて描いた、と言われています。

 

40代以降の守一には、西洋絵画の影響が見られます。

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(写真)人物 熊谷守一 1927年 豊島区立熊谷守一美術館

守一が40代の頃の作品ですが、こちらはフォービズムを感じます。

筆致や色彩を自身の感情に任せて描いていることが読み取れます。

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(写真)ヤキバノカエリ 熊谷守一 1956年 岐阜県美術館

遺骨を抱える黄と榧が歩く姿を描いています。

抑えられた色調に白い遺骨の箱が浮かび上がり、痛みや寂しさを感じます。

右側の白髭の人物は守一本人と言われています。

この作品は、アンドレ・ドランの「ル・ペックを流れるセーヌ川」に影響を受けたと言われています。

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(写真)ル・ペックを流れるセーヌ川 アンドレ・ドラン

この独特の構図やポーズに類似点を見つけることができます。

 

 


*スケッチを重ねて描く*

守一晩年の1950年頃、明るい色調と赤い輪郭線で生き物などを描く作風が確立していきます。

守一は76歳頃に身体を壊してから、遠くに風景を描きに行くことが難しくなりました。

そこで、自分の身の周りにある生き物や植物をモチーフとし、スケッチを重ねて描きました。

自然と触れ合うことを日課としていたようです。

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(写真)熊谷守一美術館の壁面

蟻の作品については、著作権の関係で載せられませんが、熊谷守一美術館の壁面に描かれた蟻の写真です。

守一は身近な生き物の中でも、特に蟻を好んで描きました。

守一の観察力がわかる部分は、この蟻の「足の動き」です。

蟻は、生物学的には左足の2番目の足から動き始めるということが知られていますが、守一の蟻にはその歩き方すら読み取ることができます。

目の前のものをありのまま観察する、守一の観察力には脱帽です。

 

 

 

いかがだったでしょうか

内容の認識違い等ありましたら、ぜひコメント等で教えてください

 

それでは、また明日

 

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投稿 2020.05.23

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