つれづれ美術手帖

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彦根屏風と琴棋書画

こんばんは、今日は彦根屏風(ひこねびょうぶ)と琴棋書画(きんきしょが)について、お話しします。

 

*概要*
年 代 1629-1634年頃
時 代 江戸時代初期 1629-1634年頃
作 者 不明 狩野派絵師説が有力
分 類 風俗画

流 れ 漢画
特 徴 見立て絵(琴棋書画)
場 面 遊郭だと言われている

 

 

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(写真)紙本金地著色風俗図(彦根屏風) 江戸時代初期 六曲一隻 94×271cm 彦根城博物館 国宝

 

彦根屏風は,正式名称にある通り,京都の遊郭を描いたとされる風俗画です。
京都の様子を描いた絵画なのに奈良県にある彦根の名前が入っている理由は,この絵が彦根藩に代々伝わっていたものだから,ということのようです。

画面左は室内で,右は外のようすを表しています。

画面右の刀に寄り掛かっている男性は「かぶき者」を表していることで知られています。
左の女性は、輸入犬を連れています。

 

 

*琴棋書画*
琴棋書画(きんきしょが)とは,もともと中国の士大夫が身に付けるべきものとされた4つの芸事で,琴と碁(囲碁)と書と画のことを指しています。
室町時代以降,掛け軸や襖絵・屏風などで題材にされてきていました。
この作品では,中国の文人の趣味からくる,日本の貴族の雅な趣味を,江戸時代初期の当時の貴族の様子に置き換えて描いています。
(このような絵のことを「見立て絵」と言います)

琴 三味線
棋 すごろく
書 艶文(恋文)
画 山水画(屏風)を眺める

この見立て絵は,置き換えているものの知識がないと絵を読み解けないため,教養のある人の楽しむ絵でした。
こうした見たて絵は後に浮世絵等で多く描かれていきますが、彦根屏風はその最初期の作例でもありました。

 


*類似作品*

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(写真)花下遊楽図屏風 狩野永信 148.6×355.8 東京国立博物館 国宝

秀吉と淀君がカブキ者を見ている図だと言われています。

こちらの構図や人の姿に、彦根屏風との類似点がうかがえます。

 

 

 

 

いかがだったでしょうか

内容の認識違い等ありましたら、ぜひコメント等で教えてください

 

それでは、また明日

 

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投稿 2020.05.22

更新 

参考 彦根博物館 彦根屏風

http://hikone-castle-museum.jp/collection/331.html