ジャポニスム
こんばんは、今日はジャポニスムについて、お話しします。
*概要*
意 味 日本の美術工芸品が流行したこと
発 祥 フランス
時 代 19世紀後半 江戸時代
先駆け 浮世絵
分 類 陶磁器・浮世絵・団扇・着物・布地など 様々
特 徴 構図や表現・モチーフを作品に取り入れる
その他 印象派・アールヌーボーなどの後の芸術運動に大きな影響を与えた
*先駆け*
ジャポニスムとは、フランス語で「日本趣味」という意味
江戸時代末期頃の、黒船来航によって日本の様子が西洋に知られたことがきっかけと言われています。
ここでは、美術工芸品の中でも特に浮世絵が欧米で人気になりました。
(写真)陶器の国の姫 ジェームズ・マクニール・ホイッスラー 1863-1865年 201.5×116.1cm フリーア美術館
屏風を眺める婦人が描かれています。
着物の着崩した感じがガウンみたいですね。
ゴッホは印象派の中でも特に浮世絵に影響を受けた画家として知られています。
ゴッホは生涯でのべ数百枚もの浮世絵を集めたとか。
*発展*
フランス以外のヨーロッパ各地で注目され始めたのは19世紀中頃
万国博覧会(国際博覧会)への出品などがきっかけと言われています。
その後、日本からたくさんの浮世絵や陶磁器などが西洋へ流れるようになりました。
生き物や模様、平面的な日本の表現は、西洋の絵画界に衝撃を与え、画家をはじめとした多くの作家が影響されました。
*構図や表現・モチーフを作品に取り入れる*
ジャポニスムに影響された作家たちは、日本風の構図や表現、モチーフを自分の作品に取り入れました。
ここではそのそれぞれについて、作品例を出しながらお話ししていこうと思います。
・構図
ロートレックの絵にはテーブルのラインが画面を真っ二つに切るように斜めに入っている。ジャポニスム以前の絵画では、このように大胆に斜めのラインが入ることは珍しく、ラトゥールの絵のように水平に入るのが普通であった。これは右の広重の浮世絵に見られるような構図がインスピレーションになっていると考えられている。
(写真)リトグラフのポスター アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック 1892年
(写真)名所江戸百景 大はしあたけの夕立 歌川広重 1856年
・表現
(写真)タンギー爺さん ゴッホ 1887-1888年
こちらには後ろに浮世絵が描かれていますが、このような印象派の「平面的表現」も、西洋にはなかった表現でした。日本の絵画の影響があると思います。
ちなみに、この作品は日本の浮世絵に大きく影響されて、モチーフとして浮世絵を取り入れ描かれていますが、後にこの作品は日本に伝わり、萬鉄五郎(表現主義の画家)が1912年に同じ構図で描いています。
お互いに影響されている様子がうかがえて興味深いですね。
・モチーフ
(写真)丸皿 伊勢海老に茄子図 ウジェーヌ・ルソー フェリックス・ブラックモン 1867-1930年頃 直径35cm オルセー美術館
こちらの作品は、歌川広重の浮世絵版画から引用されています。
(写真)「魚づくし」より 伊勢海老と芝蝦 歌川広重 1830-1844年 東京国立博物館
しかし…海老となすびという、日本人からするとよくわからない組み合わせですね。
いかがだったでしょうか
内容の認識違いなどありましたら、ぜひコメント等で教えてください。
それでは、また明日
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投稿 2020.05.15
更新
参考