つれづれ美術手帖

アート関連のアウトプットブログです。

月岡芳年

月岡芳年(つきおかよしとし)*
生 誕  1839-1892年
時 代  幕末-明治
居住地  江戸
分 類  浮世絵
代表作  英名二十八衆句 など
特 徴  生々しい血の表現
題 材  歴史絵・美人画・風俗画・古典画・役者絵
師 事  歌川国芳
受影響  河鍋暁斎、落合芳幾
与影響  弟子は200人以上
その他  「血まみれ芳年」「最後の浮世絵師」などと呼ばれる


月岡芳年は、幕末から明治にかけての「激動の時代」に活動した、殺戮の場面や死骸などを描いた無惨絵(血みどろ絵)が有名な浮世絵師です。
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(写真)月百姿 深見十左衛門 月岡芳年 1885-1892年
月にまつわる歴史や物語を描いた作品群。
こちらの作品、正面摺という、作品に直接バレンを当ててこする技法を使っており、角度を変えてみると、光沢のある市松模様が浮かび上がります。
シンプルな構図ながら着物を魅せる、粋な表現ですね。


*血まみれ芳年

衝撃的な無惨絵の描き手としても知られ、「血まみれ芳年」というあだ名で呼ばれることもあります。
特筆すべきはその血の表現。滴り落ちる様子や、地面に染み入る様子、勢いよく飛び散る様子などを、芳年は特にこだわりぬいて表現しました。
絵具も、ただ赤で描くだけでなく、必要以上の膠を入れることで表面をテカらせることで、血のベトベトした様子を表現しました。
三島由紀夫江戸川乱歩など、昭和で活躍した文学者に愛されました。
写実的でないのに妙に生々しい
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(写真)英名二十八衆句 稲田九蔵新助 月岡芳年・落合芳幾 1868年
無残絵の代表作。一連の血なまぐさい作品のなかでも、特に衝撃的な作品でした。
兄弟子の落合芳幾とともに歌舞伎の残酷なシーンを集めたシリーズで、芳年は28枚あるうちの14枚を描きました。
師・国芳の死後5年経った頃に描いた作品。偉大な師の影響から抜け出し、自己流の表現へと移行した作品群とも言われています。


*戦争と芳年

激動の時代、日常的に行われる幕府間の激しい対立を直接目にしながら作品制作をしていました。
特に、上野戦争では、弟子とともに直接戦地へ赴き取材をしたほどだったそう。
芳年自身にとって、身近な死と戦争は強く生と死を思わせる出来事だったのかもしれません。
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(写真)魁題百撰相 駒木根八兵衛 月岡芳年 1868年 
戊辰戦争の一部・彰義隊と官軍の実際の戦い(上野戦争)を題材とした作品。
この作品群から、芳年戦争画は当時のスクープ写真の用途で需要が高まり、戦争を題材とした作品を数点描くこととなりました。

いかがだったでしょうか
内容の認識違い等ありましたら、ぜひコメント等で教えてください


それでは、また来週

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投稿 2020.01.22
更新 
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