つれづれ美術手帖

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南薫造

*南薫造*
生没年  1883-1950年
時 代  明治-昭和
出 身  広島
居住地  東京・広島
分 類  油彩画 官展(文展・帝展・日展)
代表作  うしろむき など
特 徴  みずみずしい水彩表現
題 材  風景画・人物画
受影響  岡田三郎助
その他  近代日本洋画壇に大きな影響を与えた
     「日本の印象派」と呼ばれた


南薫造は「日本の印象派」と呼ばれた油彩・水彩画家。
東京美術学校で油彩画家を学び、卒業後はイギリスへ留学。
帰国後は「白馬会」でデビューし,その後すぐに文展デビューを果たします。
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(写真)坐せる女 1908年 広島県立美術館
帰国後すぐの1910年、第4回文展で三等を受賞した作品。

日常を飾ることなくありのままにとらえた南の絵画は,優雅で温かく,穏やかな印象を受けます。
卓越した油彩画技術と色彩感覚・画面構成力を持った南の絵画は早くから高い評価を受け,官展の中心的な画家として長く活躍し,日本の近代洋画の発展に大きく貢献しました。


みずみずしい水彩表現

南薫造は、日常の風景や人物をみずみずしい水彩表現で描いたことで高く評価されました。
南は24歳の時、当時主流だったフランスではなく、イギリスに留学しました。
イギリスはターナーをはじめとした,優れた水彩画家を数多く輩出してきた国でもあります。
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(写真)戦艦テメレール号 ターナー 1839年
繊細な光や色の変化を巧みにとらえているところが類似していますね
留学中,イギリスを拠点として各地を巡り,透明感あふれる水彩画技術を学びました。
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(写真)うしろむき 南薫造 1909年 広島県立美術館


日本の印象派

南は、「日本の印象派」と呼ばれたほど油彩画でも知られている人物です。
イギリス留学した時期の油彩画は、丁寧な点描により柔らかな空気を表現しており,まさに印象派の表現です。
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(写真)六月の日 南薫造 1912年
第6回文展に出品した代表作。
点描で爽やかな初夏の農村を巧みに描いています。

南は光の描写を得意とする外光派の中心画壇「白馬会」でデビューしました。
こまかな点描で繊細に色の変化を捉えていく技法は,印象派のなかでもシニャックやスーラのような新印象派に近いものを感じます。
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(写真)グランドジャット島の日曜日の午後 ジョルジュ・スーラ 1884-1886年
印象派はジョルジュ・スーラが確立した芸術様式。
直感的な印象派の絵画をより科学的に分析し,点描画法で描いた画派。



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投稿 2021.02.19
更新 
参考 
美術手帖 「日本の印象派」と呼ばれた画家。南薫造の回顧展が東京ステーションギャラリーで開催へ
https://bijutsutecho.com/magazine/news/exhibition/23345
ひろしま美術館 所蔵作品作家一覧 南薫造
https://www.hiroshima-museum.jp/collection/jp/minami_k.html
サロン展「渋谷区立松濤美術館所蔵 南 薫造 日々の美しきもの」
https://shoto-museum.jp/exhibitions/2021salon/

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