日本の伝統的な画材
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*日本の伝統的な画材について*
支持体 紙・絹
絵の具 染料・墨・岩絵具・箔
接着剤 膠(にかわ)
○支持体(しじたい・絵具を付着させる土台のこと)
紙(和紙)
透けるほど薄いものから、厚みのあるもの、目の荒いものから細かいものまであり、技法によって使い分けます。
厚い和紙の上に薄い和紙を貼る、という技法もあります
絹
あまり知られていない(かもしれない)ですが、和紙以外に日本画はよく絹を使います。
絹枠とよばれる木枠に、絹をぴんと貼って描きます。
絹で描く描き方で特徴的なのは、「裏からも描ける」ことです。
繊維の間から、裏に塗った色が見えるので、紙とは少し風合いの違う作品ができます。
これは感覚ですが、絹を使う作品は薄塗りのものが多く、透明感や発色が良いように思います。
◯顔料と染料
日本画の絵具について話をするためには、まず「顔料」と「染料」の違いから話す必要があります。
顔料・・・水に溶けない着色用の粉末
染料・・・水に溶ける着色用の物質
つまり、水に溶けるか溶けないか、ですね。
日本画の描画材料でいえば、
染料は「染料」
顔料は「墨・岩絵具・箔」です。
染料
染料の絵具は馴染みがないかもしれませんが、小さい頃、朝顔で色を染めた経験を持っている人なら、イメージしやすいかもしれません。
まずは色水を作って、流通のために脱脂綿に色を染み込ませて販売されていました。
昔の日本の絵画でよく見る「赤」は、染料のことが多いです。
綿臙脂(わたえんじ)
現在着色料にも使用されている、「コチニール」というもの。臙脂虫という虫から採取されています。
顔料
墨は、松や油を燃やしたすすからできています。松のすすは青っぽく、油のすすは茶色っぽい特徴があります。
(左)松煙墨 (右)油煙墨
箔
箔は、金属を薄く叩いて伸ばしたものです。金属の組み合わせによって、微妙な色の違いもあったりします。
岩絵具については、次回詳しく説明しようと思います。
◯膠(にかわ)
日本画にとって欠かせないのが膠です。
膠とは、ゼラチンのようなコラーゲン物質のこと。動物の皮膚や骨を煮込んで作ります。
顔料は、そのままでは紙に定着することができないので、接着剤が必要です。
日本の絵画では、顔料を紙に定着させるため、膠を使用しました。(ちなみに、油絵は名前の通り、油で定着させます。)
鹿、兎、牛など、様々な動物から採取されています。
種類も豊富で、粒状や棒状、液状のものがありますが、今は長細い、三千本膠という膠が主流かと思います。
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投稿 2020.02.23
更新
参考