つれづれ美術手帖

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尾形光琳と燕子花図屏風・紅白梅図屏風

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尾形光琳とは?特徴や有名な作品を詳しく解説します! | key W art


尾形光琳

生没年 1658-1716年
時 代 江戸時代中期
居住地 京都

分 類 琳派

代表作 紅白梅図屏風・燕子花図屏風

特 徴 洗練されたデザイン、装飾的
技 法 たらし込み・光琳模様

 

 

尾形光琳は、「琳派」の名前の由来となった人物です。

代表作「紅白梅図屏風」にも見られる水流や梅の模様は、後に光琳模様(光琳紋)と称され、琳派を有名にしました。

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東京藝術大学の創設者のフェノロサは、光琳の描く絵画を見て、深く感銘を受けたとされています。

アールヌーボーの画家、クリムトの絵にも光琳紋のような模様がありますね。

 


光琳は、京都の呉服屋の次男として生まれました。

大和絵を基調としながら、明快で装飾的、デザイン的な作品を生み出しました。

また、光琳は屏風の他に、香包、扇面、団扇などの小品や、陶器の絵付けなど、様々な制作活動を行い、光琳の卓越したセンスは幅広いジャンルで発揮されました。そのため、京都の裕福な町人から役人、大名など、幅広い人々に好まれました。

 


性格は、遊び人で派手好き、家の財産を湯水のように使ったような人物だったようですが、一方で芸術家としては誇りを持って作品制作していたようです。

 

 

燕子花図屏風

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(写真)燕子花(かきつばた)図屏風 尾形光琳 1702-1717年 151.2×358.8cm×2 六曲一双 根津美術館

燕子花図屏風は、伊勢物語の八橋を描いた屏風です。
伊勢物語の八橋といえば、「か・き・つ・ば・た」の五文字を句の一番上に置いた歌を詠めと言われた主人公の在原業平(ありわらのなりひら)が「からころも着つつなれにしつましあればはるばる来ぬる旅をしぞ思ふ」と詠んだシーンが有名です。

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(写真) 伊勢物語絵巻(住吉本)  住吉如慶  30.4×約1600×6巻 1663年 東京国立博物館


光琳は、八橋も在原業平も描かずに、燕子花だけでこのシーンを描ききりました。
この時代、燕子花(かきつばた)といえば、このシーンだったようですね。
ちなみに、光琳はほかにも八橋を描いた屏風や硯箱が存在します。光琳にとって伊勢物語の八橋は興味を惹かれる、大きな存在であったのかもしれません。

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(写真) 八橋蒔絵螺鈿硯箱(やつはしまきえらでんすずりばこ)  27.3×19.7×14.2  18世紀  国宝 

 

 

紅白梅図屏風

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(写真)紅白梅図屏風 尾形光琳 国宝 156.0×172.2cm×2  二曲一双 1704-1709年 MOA美術館所蔵


大きな水流が中央にあり、左右に梅が紅白・老木と若木という対比で描かれています。

実際の自然界ではありえないような画面構成ですが、この構図、風神雷神図屏風とも似ていますね。

この紅白梅図屏風は、俵屋宗達風神雷神図屏風に対する返歌である、という見解もあります。

宗達風神雷神をほぼ完璧にコピーした光琳。こちらの作品ではさらなる研究をして自分なりの表現に至ったのかもしれませんね。

梅の木の幹がたらし込みで描かれていることも類似点です。

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また、梅は老若の男性で流水は時の流れを表しているという説もあります。

これは、遊び好きな光琳が女性に恋をしたけれども、恋のライバルは若い男で、「老い(時の流れ)には勝てない」という意味が込められている、という内容です。

正確な制作年はや制作の意図はわかっていませんが、紅白梅図屏風光琳晩年の作と考えられていることもあり、左の老いて腰の曲がった白い梅は、光琳の自画像なのかもしれません。

 

 

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それでは、また明日

 

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投稿 2020.03.07

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