つれづれ美術手帖

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「わびさび」の美意識 西洋の美意識との違い

こんばんは、ふみです。

今日は「わびさび」の美意識 西洋の美意識との違いについて、お話します。

 

 

*概要*
意 味 人の世の儚さや無常を美しいと考える美意識
    変化・調和
時 代 室町時代〜江戸時代
歴 史 茶・禅の思想から

 

わびさびとは、前述のとおり、人の世の儚さや無常(変化したり滅びたりすること)であることを美しいと考える美意識のことです。

わびさびは、仏教の「悟り」の概念に近い、日本文化の中心思想です。
「わび」と「さび」は、本来別々の意味として存在していたようですが、現代では一つの単語としてよく知られています。


*本来の意味*
わび(詫び)・・・不完全なものや貧相なものを美しいと思うこと
さび(寂び)・・静けさや、時間の経過で劣化したものを美しいと思うこと


千利休がこの「詫び」の美を、
松尾芭蕉が「寂び」の美を見出したと考えられています。

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(写真)不二山 本阿弥光悦 国宝

侘茶、という言葉もよく聞きますが、わびさびの概念は禅宗や茶に深い関わりがありそうですね。

 


よく比較されている西洋と日本の美の違いについて
西洋の美 「完璧」「秩序」
日本の美 「変化」「調和」
という感じでしょうか。


例えば庭の例で考えてみましょう。

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(写真)ヴェルサイユ宮殿の庭
シンメトリー(対称)で、綺麗に木々が整えられていて、まさに完璧という感じですね

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(写真)桂離宮の庭
木は整えられていますがアシンメトリー(非対称)で自然な感じがなんとも美しい、あはれ、という感じですね。背景の森は、はたしてどこまで切りそろえられているのか、境界線がなかなかわかりにくいです。


この写真のように、自然の「木」でも完璧な形(シンメトリー)に仕上げるのが西洋の美
自然の、偶然の形を生かすように仕上げるのが日本の美、といったところでしょうか。

 


この違いはなぜ生まれたのか」という疑問については、生活環境の差である、という説を聞いたことがあります。
(本で読んだと思うのですが…ごめんなさい分かる方居れば教えて下さい)
たとえば、昔の西洋は壊れにくい石造りの家であるのに対し、日本は自然災害に弱い木や土でできた家で暮らしていました。
日本人は「壊れること」が前提で生活していた、ということが、このわびさびの美意識を生んだのではないか、という説です。

 

いずれにしても、さびて不完全なことをよしとする、世界的にも珍しいこの美意識。不思議ですね。

 

 

いかがだったでしょうか。

内容の認識違い等ありましたら、ぜひコメント等で教えてください

 

このブログでは、元美大生の筆者が、日本の絵画を中心に、毎日少しずつ語っていきます。ぜひコーヒー片手に、空いた時間に読んでもらえたら嬉しいです。

それでは、また明日

 

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投稿 2020.03.14

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参考