異時同図法と捨身飼虎図について
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*異時同図法*
意 味 一つの画面の中で同じ人物が何度も登場して、時間の流れを表現する方法
観かた 左から右に、上から下に
起 源 捨身飼虎図(しゃしんしこず)
発 展 主に絵巻物の文化とともに発展
その他 漫画技法「コマ割り」の起源と言われる
異時同図法とは、絵の中で時間が流れていることを表現する方法で、現代の漫画表現の「コマ割り」に通じる表現です。
基本的に、絵巻物は右から左に読むため、異時同図法を用いた人物も右から左へ読んでいくと時が流れていきます。
(写真)「ももたろう」の例 異時同図法の読み方
- おばあさんが桃を拾い
- 持って帰って
- 切ったらももたろうが出てきた
上下でも時間の流れを表すことがあり、その場合下に行くほど未来になっていきます。
難しく言いましたが、漫画のコマ割りと一緒です。
異時同図法は、主に物語を描く絵巻物の特性からか、絵巻物の表現とともに発展してきました。
絵巻物の横長の構図は、左から右へと時の流れを表現するためにはちょうどいい比率だったのかもしれません。
*異時同図法の起源 捨身飼虎図について*
種 類 本生譚(ほんじょうたん)釈迦の前世の話
時 代 飛鳥時代
内 容 サッタ王子(釈迦の前世・王子)が山道でお腹を空かせた親子の虎に出会い、
それを哀れに思ったサッタ王子は、身を投げ、母子の虎の餓えを救った
絵巻物とともに発展した異時同図法ですが、発祥は仏壇画と言われています。
捨身飼虎図は、法隆寺に所蔵されている「玉虫厨子(たまむしのずし)」という仏壇の、
須彌座(しゅみざ・仏像の台)の腰板(囲いの部分)に描かれています。
ちなみに、玉虫厨子の写真の通り、腰板は四面あるので、四面に絵が描いてあり、捨身飼虎図は正面右側の作品です。
この作品では、サッタ王子が親子の虎に出会い、自らの身を投げて落ちていく様子が異時同図法で描かれています。
(写真)捨身飼虎図
上 崖の上に立つサッタ王子
中央 身を投げたシーン
下 落ちて虎に食べられているシーン
いかがだったでしょうか
内容の認識違い等ありましたら、ぜひコメント等で教えてください
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投稿 2020.03.16
更新 2021.02.02
参考