つれづれ美術手帖

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鈴木其一 

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鈴木其一とは?特徴や有名な作品についてわかりやすく解説します | key W art

 

*基本情報*

生没年 1795-1858年
時 代 江戸時代後期
居住地 江戸

分 類 琳派

代表作 夏秋渓流図屏風・朝顔屏風図

特 徴 装飾的で洗練された構図・美しい絵の具

その他 一度は忘れ去られた絵師

 

 

基一は、染物屋の息子として生まれました。
琳派の画家は、師弟関係がないことが多いですが、基一は酒井抱一に弟子入りし、絵画を学びました。

 

代表作「夏秋渓流図屏風」

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(画像)夏秋渓流図 鈴木其一 1831-1845年 166.4×726.6cm 六曲一双 根津美術館所蔵

この絵には、平面的な描画の中にも、こちらに向かって水が襲いかかってくるような不思議な立体感があります。
師匠である酒井抱一の死をきっかけに、「自分の画風」について考え始めた基一。
自己流の表現を模索するために、自然と向き合おうと野山をめぐり、抱一より立体的な表現を試みるようになりました。

 


晩年の代表作「朝顔図屏風」

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(写真)朝顔図屏風 鈴木其一 1840-1855年 178.2×379.8cm×2 メトロポリタン美術館所蔵

朝顔は当時江戸で流行していた花でした。
朝顔市」というのも開かれていたらしく、そこでスケッチされたものと考えられています。


また、この作品は、尾形光琳の「燕子花図屏風」のオマージュではないか、と考えられています。

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(写真)燕子花図屏風(かきつばた) 尾形光琳 18世紀 151.2×358.8cm×2 根津美術館

金地と花だけで構成している構図や、青と緑のみの色彩など…比べてみると、似ているところが多々あります。
尊敬する尾形光琳への敬意と、対抗心の表れだったのでしょうか。
光琳の燕子花図屏風の方が洗練されていますが、基一の朝顔図屏風は、朝顔たちが踊っているような、遊び心が伺えます。

 

また、基一は絵の具をよく研究し、巧みに使う人物でもありました。
朝顔図の青い花びらには、密度や重厚感を感じます。

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基一は、膠(にかわ・接着剤)の量を少なくすることで、光の乱反射を利用して、この特殊な重厚感をつくりだしました。

 

 

いかがだったでしょうか
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このブログでは、元美大生の筆者が、日本の絵画を中心に、毎日少しずつ語っていきます。ぜひコーヒー片手に、空いた時間に読んでもらえたら嬉しいです。

それでは、また明日

 

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投稿 2020.03.04

更新 

参考 根津美術館

http://www.nezu-muse.or.jp/sp/collection/detail.php?id=10348