やまと絵と唐絵について
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https://keywart.net/yamato-e-to-chinese-painting/
*概要*
・主な違いは題材(モチーフ)
・唐絵・・・中国の絵画・中国的な主題を扱った絵画
【題材】唐の風景や中国唐風の人物
・やまと絵・・・日本的な主題を扱った絵画
【題材】日本の風景や風物・風俗
唐絵とは、中国から来た絵画、または中国的な主題を扱った絵画のことを言います。
日本の中国への来歴は
遣隋使(けんずいし)が600-618年で3回~5回派遣
遣唐使(けんとうし)が630-665年、702-838年に派遣 という感じです。
この渡航により、多くの中国絵画が日本に渡ってきました。
710年に建った平城京は、唐の長安がモデルとされていますが、唐は中国で約 300 年続いた大国です。その威厳を借りたいほど、当時の日本にとっては強く憧れた国だったのかもしれません。
平安時代の代表的な唐絵は、正倉院宝物の鳥毛立女図屏風(とりげりつじょのびょうぶ)です。
(写真)鳥毛立女図屏風752~756年 135.9×337.2cm
唐絵と言われてよく目にするものは、中国らしい荒々しい岩などが描かれた山水画が多いですが、こちらは女性(天女?)がメインで、木や岩、草、鳥などが描かれています。女性の化粧や樹木の下に描かれる美人図は、どうやら中国からやってきた文化のようです。
鎌倉時代の後期からは、唐絵といえば宋元画(中国宋・元時代の絵画)のことを指すようになり、その流れは雪舟や狩野派につながります。
やまと絵とは、日本的な主題を扱った絵画のことで、唐絵に対して名付けられました。
894年の遣唐使廃止により、国風文化が栄えることで繁栄し、「やまと絵」というジャンルが認知されるようになります。
やまと絵といえば、12世紀前半に描かれた、日本最古の絵巻物と言われる「源氏物語絵巻」が有名です。
(写真) 源氏物語絵巻 藤原隆能(ふじわらのたかよし) 12世紀前半 徳川美術館
そもそもの始まりは、日常で使用している道具に四季の絵を描いて、日常の生活に彩りを与えたところから始まったとされています。
ちなみに、この頃に仮名や和歌・物語などの文学もできました。
鎌倉時代後期、中国から宋元画が渡ってくるようになると、唐絵はまた脚光を浴びるようになり、やまと絵は一度衰えますが、この流れは土佐派や琳派に受け継がれ、現在の日本画壇にも影響を与えています。
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このブログでは、元美大生の筆者が、日本の絵画を中心に、毎日少しずつ語っていきます。ぜひコーヒー片手に、空いた時間に読んでもらえたら嬉しいです。
それでは、また明日
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投稿 2020.03.05
更新
参考