漢画と頂相について
こんばんは、ふみです。
今日は、「漢画」についてお話しします。
*概要*
意 味 中国の宋・元の時代の絵画のこと
類義語 唐絵
時 代 鎌倉時代以降に渡来
地 域 中国 (宋・元時代)
絵 師 (中国)馬遠・梁楷・夏珪・牧谿
流 れ 唐絵
特 徴 水墨画が多い
題 材 頂相(ちんそう・有名な僧を描いた絵画)・道釈画(どうしゃくが)・山水・花など
漢画とは、中国の宋元時代に制作され、鎌倉時代以降に日本に渡ってきた中国の絵画のことです。
初期の漢画は頂相や道釈画など、仏教的な題材がほとんどでしたが、のちの漢画の大スター牧谿などの登場により、山水画や墨戯など幅広い題材が描かれるようになりました。
唐絵では中国からやってきた絵画と、中国らしい題材の絵画のことを唐絵と呼びましたが、漢画の有名なものは基本的には中国からやってきた絵画を指す場合が多いように思います。
以下では、初期漢画の「頂相」についてお話ししようと思います。
*頂相(ちんそう)*
意味 僧侶の肖像画のこと
時代 12~13世紀 北宋末~南宋時代
種類 寿像(じゅぞう)・遺像(いぞう)
頂とは、頭のこと。当時「頭(頂)には仏が宿る」と言われており、縁起のいい題材であったと考えられています。
*寿像(じゅぞう)と遺像(いぞう)*
寿像 生きているうちに描かれた像のこと
遺像 亡くなってから描かれた像
(写真)俊仍律師像 1227年 泉涌寺
寿像は、弟子が「この師匠から教えを受けた」ことを証明するために描かれました。そのため、写実的でいかに似ているかが大事でした。
(写真)夢窓疎石像 無等周位 1349年頃 妙智院
遺像は、偉大な僧侶を後の世に伝えるために描かれました。同じ絵が何度も描かれたため、イメージが固定化・形式化されて伝わり、寿像よりも「かたい」表現となっていきます。
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それでは、また明日
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投稿 2020.03.
更新
参考