つれづれ美術手帖

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墨の遊び 墨戯(ぼくぎ)

こんばんは

今日は漢画の一種「墨戯(ぼくぎ)」について、お話しします。

 

*墨戯(ぼくぎ)*
意 味 これまでの運筆法や構図にとらわれず、自由奔放に描く描き方
分 類 漢画
特 徴 簡略化・でたらめな筆使い
時 代 中国北宋末期から南宋
画 題 竹、梅、枯木や石など

 

「墨戯」は、漢画として中国からやってきたジャンルの一つです。

「墨の遊び(戯れ)」という言葉通り、士大夫(したいふ・官僚のような役職)や僧侶など知識人が余戯として行う、墨による遊びのような絵のことを言います。

 

 

墨戯は、昨日書いた記事「真行草」の画体でいうと、草体に近いかと思われますが、草体で描かれた絵画よりも墨戯は崩れた描き方・筆遣いです。
墨戯はもはや「絵画」というより「遊び」だったのかもしれません。

 

 

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(写真)破墨山水図 雪舟等揚 1495年 東京国立博物館

一見稚拙ででたらめ、技術的にも他と劣る面があるように見えますが、何か人の心を打つような趣が感じられる、ということで、当時広く受け入れられました。

もっとも、雪舟のこの絵画は「絵画」としてとても近代的な構成・空間づくりをしているように思えますよね。

 


当時、中国では、絵を描けるのは悟りを得た僧だから、という考えで、技術よりも精神的なものの考え方で絵画を見ていた節があったようです。
そのことを考えると、墨戯は僧の「悟り」を表現するものであったのかもしれません。


また、普通水墨画は人物や山水を描きますが、墨戯では夢や心象風景を自由に描く場合もありました。

 

 

いかがだったでしょうか

内容の認識違い等ありましたら、ぜひコメント等で教えてください

 

それでは、また明日

 

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投稿 2020.03.25

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