つれづれ美術手帖

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如拙 日本の漢画の祖

こんばんは、今日は如拙(じょせつ)について、お話しします。

 

*概要*
生没年 不詳
時 代 南北朝時代から室町時代中期(1330-1450年頃?)
居住地 京都?
分 類 漢画
特 徴 中国漢画を意識した絵
代表作 瓢鮎図
その他 漢画の祖と呼ばれる
    雪舟長谷川等伯狩野派に影響を与える

 

 


如拙(じょせつ)は室町時代頃の画僧です。
謎多き人物で,如拙作の作品も2作品しか判明していません。
しかし,雪舟長谷川等伯から師と仰がれ,伝如拙含めすべての作品が重要文化財(または国宝)となっていることからも,日本美術史における如拙の存在は大きいです。

 

名前の由来は「老子」の「大巧は拙なるが如し(たいこうはせつなるがごとし)」から来ているらしいです。
意味は「本物の名人は見かけの小細工などしないから、一見へたに見える」ということ。
この名を如拙は自分でつけたのでなく,名付けてもらっているということからも,相当な評価を得ていた人物だということがわかりますね。

 

 

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(写真)瓢鮎図(ひょうねんず) 如拙 1415年頃 111.5×75.8cm 退蔵院 国宝
如拙の代表作。
「ひょうたんでなまずを捕まえることができるか」という禅問答を絵にしたものです。
この禅問答は,「ひょうたんなまず(とらえどころがないこと)」という言葉の由来にもなったようです。
この作品は,中国の漢画絵師の馬遠を意識した構図,梁楷を意識した描法となっており,中国の漢画を強く意識して描いたものであることがよくわかります。
ちなみに、この上部の文字は「画賛」というもので,当時の偉い人(将軍や僧侶)が「この絵を見た」という証拠や「素晴らしかった」と称賛するものです。このサインによって制作年代や制作場所・作者が分かることもあるのだとか。

 

 

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(写真)王羲之書扇図(おうぎしょせんず) 如拙 15世紀前半 京都国立博物館 重要文化財
この作品と瓢鮎図如拙作と判明している作品です。
この絵は中国で昔あった出来事(故事)を描いていて,書聖(しょせい・書道の名人のこと)王羲之(おうぎし・人名)が扇売りの老婆のために扇に字を書いているシーンが描かれています。
もとは扇として描かれており,弟子が掛け軸に直しました。
扇や扇子だったものを掛け軸や屏風に直すことはよくあることで,当時の人はリメイクのような感覚で直していたようですね。

 

 

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それでは、また明日

 

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投稿 2020.04.08

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