つれづれ美術手帖

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土佐三筆

*土佐三筆とは*
意 味  常盤光長・土佐光信・土佐光起
     土佐派を代表する三人の絵師
時 代  平安時代後期~江戸時代
居住地  京都→江戸
分 類  土佐派
特 徴  
その他  それぞれ生きた時代はバラバラ


土佐光信・常盤光長・土佐光起は、土佐派の代表的な絵師として「土佐三筆」といわれています。
常盤光長は平安時代後期、土佐光信は室町時代、土佐光起は江戸時代と、それぞれ生きた時代はバラバラですが、
それゆえに、それぞれの時代を特徴的に現した代表的な3人とも言えます。
土佐派については、以前ブログに書いていますのでそちらをご覧ください。
https://funart.hatenablog.com/entry/2020/04/21/172014

では、1人ずつご紹介したいと思います。

常盤光長(生没年不詳)

常盤光長は平安時代後期の宮廷の絵所預(宮廷絵師)です。
宮廷の絵所預の系統は、もともと「藤原」を名乗るため藤原光長とも、土佐派の始祖とも言われるため土佐光長とも言われます。
謎が多く、確実に常盤光長とわかる作品は現在ありませんが、日本三大絵巻物の一つである「伴大納言絵巻」や、吉備大臣日東絵巻などを描いた人物とされています。
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(写真)伴大納言絵巻
土佐派の特徴である繊細な表現で、人の顔も身分によって絵具を変えて描き分けするなど細部にこだわっていることが特徴です。

土佐光信(1434-1525年)

土佐光信は、室町時代中期、土佐派最盛期の、土佐派を代表する絵師です。
光信は、宮廷の絵所預と幕府の御用絵師を兼ね、彼の孫光元が戦死して絵所預の職を失いうまで、土佐派は当時の画壇最高の地位を占めました。
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(写真)星光寺縁起絵巻 1495年 東京国立博物館蔵、重文



土佐光起 (みつおき・1617-1691年)

光起は土佐派の門弟で、堺へ移住し町絵師として細々と土佐派の手法を守っていた光吉の孫です。
江戸時代(1634年)になって京都に戻り、約 100年間絶えていた宮廷絵所預の職に復帰し、土佐派を再建しました。

光起はやまと絵の優美で繊細な伝統を受け継いだ土佐派の絵画に、漢画の写生的要素や琳派のデザイン的要素を取り入れ、画題も一気に拡大させました。


狩野派も後半頃から積極的に他流派の技法を取り入れるようになりますが、どの流派にも共通する流れなのでしょうか?
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(写真)春秋花鳥図屏風(右隻) 土佐光起 17世紀後半 頴川美術館
こちらは土佐光起の代表作。
琳派のようなデザイン的な構成を感じる作品です。
この後幕末まで土佐派は続いたとされていますが、土佐派の芸術的生命は光起の代で終わったとも言われています。



いかがだったでしょうか。
内容の認識違い等ありましたら、ぜひコメント等で教えてください。

それでは、また来週

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投稿 2020.12.11
更新 2021.01.26
参考 

土佐派
https://funart.hatenablog.com/entry/2020/04/21/172014

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