つれづれ美術手帖

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岱赭(たいしゃ)と緑青(りょくしょう)

こんばんは、今日は古くから日本で使用されている絵具のうち、岱赭(たいしゃ)と緑青(りょくしょう)についてご紹介します

 


*代赭(たいしゃ)*
色 味 くすんだ黄赤

原 料 赤鉄鉱を含む赤土

原産地 中国用 途 人肌、土、木など


赤鉄鉱(せきてっこう)を含む赤い土から作られた顔料のこと。赤土は「赭(そほ)」とも呼ばれていて、そこから来た名前のようです。

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明るめの茶色のような色味で、JISの色彩規格では「くすんだ黄赤」と表現されています。
赤鉄鉱という鉱物自体は、わりとどこでも採れる、メジャーな鉱物ですが、日本では中国からもたらされ、顔料として使用するようになりました。
特に、中国代州で産出する赤土が有名で、質の良い顔料として愛好されていたようです。


日本画では土や樹皮、人間の肌色などに多く使われています。

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(写真)源氏物語絵巻 平安時代

こちらでは襖の色などに使用されていますね

 


*緑青(りょくしょう)*


色 味 くすんだ緑色

原 料 孔雀石、錆(酸化銅)

原産地 日本(?)

用 途 草・木・服

 

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緑青(ろくしょう)は、銅が酸化した時にできる錆から作られた顔料のこと。

原料は錆や孔雀石などと言われますが、同じ主成分です。

よく大仏様でもこの色を見ますが、どうやら腐食防止の作用もある原料のようです。

 

顔料として日本で使用された経緯は調べてもよくわからなかったのですが、孔雀石は日本でも少量ながら採れていた石のようなので、日本で独自に生み出された顔料なのかもしれません

(知っている人いらっしゃったら教えて下さい)

 

日本では、よく草木の色として使用されています。

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(写真)杉戸絵 円山応挙

自然にある草木の緑よりくすんで白っぽくなっているのが特徴で、個人的には「日本の絵画らしい」色の特徴だと思っています。

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(写真)高松塚古墳壁画 奈良時代

こちらでは服の色として使用されています。

 

 

いかがだったでしょうか

内容の認識違い等ありましたら、ぜひコメント等で教えてください

 

それでは、また明日

 

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投稿 2020.04.05

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