つれづれ美術手帖

アート関連のアウトプットブログです。

ベロ藍 北斎ブルーについて

こんばんは、今日はベロ藍について、お話ししようと思います。


*概要*
意 味 動物性の青い人口顔料
年 代 1700年頃
地 域 ドイツ(プロシア)・ベルリン
発見者 ベルリンの染色・塗料職人
呼び方 プルシアンブルー 北斎ブルー ベロ藍 紺青
輸 入 江戸時代 延享4(1747)年に輸入
特 徴 発色鮮やか・変色しない
その他 若冲動植綵絵にも少量のベロ藍が使用されている



ベロ藍とは、動物性の青い人口顔料で、プルシアンブルーともいいます。
ベロ藍とは「ベルリンの藍」の略称で、もともと、ドイツ・ベルリンの染色職人が赤い顔料を作るとき、偶然その顔料の沈殿物の中から見つかった顔料で、日本では江戸時代に輸入されました。


それまでの浮世絵版画では、露草(つゆくさ)や藍(インディゴ)が使われていましたが、版画向きでなかったそうです。
これまでの植物由来の藍は、染色には向いても版画には向かず、最初は発色よくても変色しやすい難点がありました。
ベロ藍は植物由来の藍とは違い、鮮やかな色を保ち、変色もしない万能な絵具でした。
ベロ藍が日本に輸入されたことで、浮世絵版画の青はより美しく魅力的になりました。

日本初のベロ藍使用作品

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(写真)動植綵絵 群魚図 伊藤若冲 1765年頃
現在日本で確認されている、ベロ藍の最初の使用作品です。
左下のルリハタという魚の胴と鰭に紺青が使用されています。
輸入された当時のベロ藍は、入手困難かつ高価でした。
若冲は裕福であったため、高価な絵具をふんだんに使った作品を描いていましたが、普段の絵具の購入ルートで貴重なベロ藍を入手できたというのも納得できます。

北斎ブルー

葛飾北斎はベロ藍を多く使用したことでよく知られており、ベロ藍が別名「北斎ブルー」とも呼ばれているほどです。
ベロ藍は水との相性もよく、濃淡のグラデーションが作りやすいようで、北斎はその特性を生かし数々の代表作を生み出しました。
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(写真)冨嶽三十六景 凱風快晴 1831-1833年  25.4×37.8㎝ メトロポリタン美術館
これらの作品により、当時は風景浮世絵版画が一世を風靡しました。

先ほども言ったように、入手困難で高価なベロ藍ですが、北斎は版元(現在でいう出版者のようなもの)づてに入手していたようです。
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(写真)冨嶽三十六景 尾州不二見原 葛飾北斎 1831年
ベロ藍大好き葛飾北斎
輪郭線までベロ藍で描いたものもあるそう。
普通、輪郭線は墨で取るものですが、藍色にすることで、少しだけ画面の全体感を明るくする効果があります。




いかがだったでしょうか
内容の認識違い等ありましたら、ぜひコメント等で教えてください

それと、ここからは私事ですが…
これまで、ほぼ毎日更新してきましたが、
自分の夢をかなえるため、先週から新しい取り組みを始めました。
そのため、こちらのブログを毎日更新から週1の、毎週金曜更新と変更します。
新しい取り組みについては、お伝えできる準備ができ次第お伝えしたいと思っています。
どうか温かく見守って下さると嬉しいです。
これからもよろしくお願いします。

それでは、また明日

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投稿 2020.07.03
更新 
参考 
和楽 日本美術の革新!若冲北斎を変えた魔法の色「ベロ藍」とは?
https://intojapanwaraku.com/jpart/2170/

アダチ版画 オンラインストア スタッフブログ 偶然が生んだ美しい「ベロ藍」
https://www.adachi-hanga.com/staffblog/001257/
こちらではベロ藍の作り方も紹介してあります


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