つれづれ美術手帖

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日本の伝統色 貴族の「色」

こんばんは。
今日は昨日お話した、日本の伝統色の番外編として、日本の貴族の「色」について、お話しします。

濃紫


材 料 紫草(この材料しかなかった)
発 祥 飛鳥時代
その他 冠位十二階(603年)により濃紫が最も高貴な色とされた。

聖徳太子が位により服装の色などを定めたことで知られる冠位十二階ですが、
実際に色のついた冠をそれぞれの豪族や官人に渡していたそうです。
それは知らなかった…

冠位十二階で決められた12の色は、5行説にならって青・赤・黄・黒・白の濃淡で、合計10つの位があります。
後の2つの位は、紫の濃淡
つまり、濃い紫と薄い紫で、構成されました。
(五行説については、依然記事にしていますのでそちらをご覧くださいね)
https://funart.hatenablog.com/entry/2020/04/10/174423
ちなみに、冠位を渡していた聖徳太子は何色だったのか、気になる所ですが
ずばり、「白」だったそうです。
冠位十二階の下から3〜4番目の位も白が使われていますが、天皇の白は絹糸の中でも特に質の良い「白」だったそう。

なぜここに、しかも一番高い位に紫が入っているのでしょうか

紫が上位階級のみ使用できる色となった理由は
・貴重な材料
・複雑で手間のかかる作業
といわれています。


とにもかくにも、奈良時代平安時代では、紫は天皇や朝廷の高官の色として「禁色」とされ、庶民には使用できない色でした。

鎌倉時代以降、「禁色」は事実上無くなりましたが、その後武家社会でも強くはっきりした色調の紫は好んで使用されました。
ちなみに、江戸時代では当時のファッションリーダー的存在の歌舞伎役者たちが衣装に使用するなど、紫は常に日本にとって「特別な色」だったようですね。


黄櫨染(こうろぜん)


意 味 赤みがかった黄色
    または黄がかった茶色の染め物
 天皇が重要な儀式に着る装束(黄櫨染御袍)
材 料 櫨(はぜ)の樹皮と蘇芳(すおう)
発 祥 平安時代以降(820年)から

普段は落ち着いた色にもかかわらず,太陽の光を通すと染め布の裏側が真っ赤に輝くことから,「天皇の色」と呼ばれています。
一般的に染め方も知られておらず、一般の人々にはとても手の届くものでなかったと言われています。




いかがだったでしょうか
内容の認識違い等ありましたら、ぜひコメント等で教えてください

それでは、また明日

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投稿 2020.06.03
更新 
参考 
黄櫨染御袍
https://costume.iz2.or.jp/costume/573.html




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